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Latcho Drom

ライブ、舞台、旅行のログ。K-POP、洋楽、宝塚多め。ネタバレします。

160626 宝塚雪組 ドン・ジュアン @ KAAT神奈川芸術劇場

 ネタバレするよ。

 幕間も終わった後も「ものすごいものを観てしまった」と語彙力を失うくらいものすごい公演だった。まだ今年半年くらい残ってるけど、たぶん今年のベストだと思う。

 モリエールの戯曲が政治や宗教を問うドン・ジュアンであるなら、ミュージカルのドン・ジュアンは愛を問う物語で本当にフランス人ってやつは…と思ったけど、フレンチ・ミュージカルではなくカナダ・ケベックのミュージカルなんだね。フランス語ってだけで勘違いをしていた。マリアに出会うまでのドン・ジュアンはそれなりにクズでモリエール版のそれをほぼ同じだったけど、2幕から話全然違ってクズ感が足りないと思ったのだが(何より下僕であったはずのスガナレルがクズじゃないからドン・ジュアンとの秀逸な掛け合いがなくって残念極まりないのだが、テーマがそれじゃないから仕方ない…)、原作よりも出番の多いエルヴィラ(有沙瞳ちゃん)とマリアの恋人のラファエル(永久輝せあさん)のそれぞれの愛と憎しみが深くてな…雪組の芝居の深さとなにより望海風斗という歌い手の素晴らしさ…久々に歌の迫力で涙出そうになった。本家版をまだ見てないからどう変更されたのかわからないのだけど、本家版ポスターの薔薇と剣が本編でちゃんと描かれているとこや、有沙エルヴィラが娼婦に去り下がったときに「かと言ってマリア・マグダレーナにはなれないし」というセリフを聞くと生田先生…!万歳…!!ってお手紙書きたい。

ドン・ジュアン(望海 風斗)
 最初のほうはだいもんさすがだね、うまいねっていうくらいに思ってたんだけど(アンダルシアの美女を口説くときの吐息混じりは最高であった)、マリアに出会った後の「Aimer」の圧。そして後半のマリアの前での仔犬っぷりと死に際の独白(このときマリアも含め全員が背を向けて誰もドン・ジュアンを見ないところがより救いがなくて素晴らしい)、どれをとっても本当にハマり役だった。

エルヴィラ(有沙 瞳)
 一番歌ってたんじゃないのかと思うくらいいっぱい歌が聴けて良かった。ドン・ルイに訴える歌に心がこもっててな~んて献身的なの~~~と思ったけど、個人的には原作もこのミュージカルでもエルヴィラ本人にはあまり共感は出来ないという残念さ。

騎士団長/亡霊(香綾 しずる)
 体の動きと表情が恐ろしい上、舞台上で一人だけ灰色という不気味さ…セバスチャンがどうしてこうなった…

ラファエル(永久輝 せあ)
 帰還してからの嫉妬に満ちた姿も良かったのだけど、1幕最後の戦場のシーンが一番印象的で鳥肌立った。

マリア(彩 みちる)
 完全に弥彦のイメージがついてしまったからるろ剣新公ではなんか違うなあって思いながら見てたのだけど、マリアは完全に娘役の彩みちる嬢が見れた。ベットの上で白いワンピースを着てだいもんの頭を抱きながら歌うシーンはとても美しかった。

ドン・カルロ(彩風 咲奈)
 かっこいいし、いい奴なんだけど、報われないドン・カルロ。原作はエルヴィラの兄だったのに、こっちではただいい奴がエルヴィラに恋するっていう本当に報われないかわいそうな咲ちゃん…なんだかちょっとお芝居も色が違うように見えた。

フェルナンド/アンダルシアの美女(煌羽 レオ)
 フェルナンドの印象ゼロなんですけど、アンダルシアの美女のシックスパック…

ドン・ルイ(英真 なおき)
 こうもりのラート教授的な諭すような歌が年の功だなあと思って聴いていたのに、後半エルヴィラに罵られて「小娘ごときが!」と逆上するあたりとても楽しい。

ファニータ(舞咲 りん)
 カーテンコールで誰かを発見したのか超笑顔でぶんぶん手を振っていて可愛かった。

ホセ(叶 ゆうり)
 ホセ、ただ一人笑いをとる男。長髪もかっこよかったし、冒頭の兵士もすぐわかるね、この方は(笑)。カーテンコールの手の叩き方も他の人への絡み方も暑苦しくて本当好き。カーテンコールといえばそれぞれポーズを決めてたのが普段の宝塚っぽくなくて面白かった。
 
 親戚もいるし、二度フランスに行ったにも関わらずどうもフランスという国自体が苦手にも関わらず、フレンチ・ミュージカルは性に合っているようでなにがどう合うか分からないものだなあ。


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